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2019.06.20お知らせ
「児童虐待防止強化のための改正法成立を受けて」
―体罰禁止の法制化が実現し、オレンジリボン運動の推進について付帯決議がなされました―
昨日(2019年6月19日)、参議院本会議で改正児童福祉法・児童虐待防止法が全会一致で可決、成立し、一部を除き、来年4月から施行されることになりました。
今回の改正は、全国で続発する重大な児童虐待事件を受けて、児童虐待防止の抜本的対策を実現するために行われました。児童相談所の体制の強化、児童相談所と関係機関との情報共有、DV対応機関との連携強化など、これまで課題とされてきた事柄に対して立法による対応が図られました。当ネットワークとしては、目黒区の結愛ちゃん事件を契機に法制度改正の提言をしましたが、その内容も今回の改正法に反映されています。
とくに、親、児童福祉施設長、児童相談所長等による体罰が法律で禁止された点は、画期的です。当ネットワークでは、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、NPO法人子どもすこやかサポートネットと共同して、体罰禁止の法制化を訴えてきましたが、今回の法改正でようやくこれが実現しました。とはいえ、これはまだ入り口にすぎません。体罰禁止を具体化し、子どもが暴力や品位を傷つけられる行為によって育てられることのないようにするためには、さらに多くの取組みが必要です。
そこで、今回の法改正に合わせて、前記の3団体で国が取り組むべき立法上、施行上の課題を明らかにし、社会にアピールすることといたしました。
児童虐待防止強化法改正_共同声明.pdf
また、参議院では、改正法の成立に合わせて、政府が行うべき宿題として、「オレンジリボン運動を国民運動として強力に推進するため、企業・団体・個人のサポーター会員の募集やポスターコンテストとその配布の活性化など、政府として積極的に関わること」との附帯決議がなされました。この決議は、本運動の全国総合窓口を担う弊団体にとって、たいへん大きな後押しとなります。
関係の皆様におかれましては、改正法の適切な運用とさらなる法改正の実現、オレンジリボン運動の推進に向けて今後とも、ご支援、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
2019年6月20日
認定NPO法人 児童虐待防止全国ネットワーク
理事長 吉田 恒雄