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2021.08.30お知らせ
厚生労働省 令和2年度の児童虐待相談対応件数を公表
厚生労働省は8月27日、令和2年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)を公表しました。件数は20万5029件で、前年度より1万1249件(5.8%)増え、過去最多を更新しました。
相談の内容別件数は、多い順に、心理的虐待12万1325件(全体の59.2%)、身体的虐待5万33件(24.4%)、ネグレクト3万1420件(15.3%)、性的虐待2251件(1.1%)となっています。前年度の件数で比べると、ネグレクトのみ1925件のマイナス、他は多い順に、心理的虐待が12207件、身体的虐待が793件、性的虐待が174件とそれぞれが増加しています。
相談の経路別件数は、多い順に、警察等10万3619件(全体の50.5%)、近隣知人2万7641件(13.5%)、家族親戚1万6763件(8.2%)、学校1万3643件(6.7%)となっています。
件数が増加した要因として厚生労働省は次の3点をあげています。
〇心理的虐待に係わる相談対応件数の増加
(令和元年度10万9118件⇒令和2年度12万1325件<+1万2207件>)
〇警察等からの通告の増加
(令和元年度9万6473件⇒令和2年度10万3619件<+7146件>)
〇心理的虐待が増加した要因として、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力がある事案(面前DV)について、警察からの通告が増加(地自体への聞き取りから)
同時に、「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第17次報告)」についても公開され、次のような報告がなされています。
<検証対象>
・心中による虐待死事例16件(21人)を含む72件(78人)
※1 平成30年4月1日から令和2年3月31日の間に発生した児童虐待死事例
※2 16次報告は、64件(73人)が対象
・都道府県等が虐待死と断定できない事例38件(41人)についても検証など
<検証(分析)結果>
〇心中以外の虐待死(56例、57人)について
・子どもの年齢
「0歳」が28例(28人)で全体の49.1%を構成。この中、月齢0か月児が11人で39.3%
・主な虐待の類型
「身体的虐待」が16例/17人(29.8%)、「ネグレクト」が13例/13人(22.8%)、「不明」が26例/26人(45.6%)
・加害の動機(複数回答)
「保護を怠ったことによる死亡」が9例/9人(15.8%)、「しつけのつもり」が3例/3人(5.3%)
・妊娠期・周産期における問題(複数回答)
「予期しなかった妊娠/計画していない妊娠」が20例/20人(35.1%)
「妊娠健康診査未受診」が20例/20人(35.1%)、「遺棄」が18例/18人(31.6%)など
〇心中による虐待死(16例、21人)について
※未遂(親は生存したが、子どもは死亡した事例)を含む
・子どもの年齢
「0歳」が4例/4人(19.0%)、「3歳」「13歳」が各3例/3人(14.3%)
・主な加害者
「実母」が10例/11人(52.4%)
・加害の動機(複数回答)
「保護者自身の精神疾患、精神不安」が4例/7人(33.3%)、「経済的困窮」が6例/7人(33.3%)など
詳しくは、厚生労働省サイト内「令和3年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議資料」をご確認ください。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000019801_00004.html