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厚生労働省 令和3年度の児童虐待相談対応件数を公表

2022.09.13お知らせ

厚生労働省 令和3年度の児童虐待相談対応件数を公表

厚生労働省は9月9日、令和3年度の児童相談所による児童虐待相談対応件数(速報値)を公表しました。件数は207,659件で、前年度より2,615件(1.3%)増え、過去最多を更新しました。

相談の内容別件数は、多い順に、心理的虐待124,722件(全体の60.1%)、身体的虐待49,238件(23.7%)、ネグレクト31,452件(15.1%)、性的虐待2,247件(1.1%)となっています。前年度の件数で比べると、身体的虐待のみ797件のマイナス、他は多い順に、心理的虐待が3,388件、ネグレクトが22件、性的虐待が2件とそれぞれが増加しています。

相談の経路別件数は、多い順に、警察等103,104件(全体の49.7%)、近隣知人28,075件(13.5%)、家族親戚17,344件(8.4%)、学校13,972件(6.7%)となっています。

件数が増加した要因として厚生労働省は次の3点をあげています。

〇心理的虐待に係わる相談対応件数の増加
(令和2年度12万1,334件⇒令和3年度12万4,722件<+3,388件>)

〇家族親戚、近隣知人、児童本人等からの通告の増加
(令和2年度 46,521件⇒令和3年度:47,948件<+1,427件>)

〇令和2年度と比べ児童虐待相談対応件数が増加した要因として、虐待相談窓口の普及などにより、家族親戚、近隣知人、児童本人等からの通告が増加(地自体への聞き取りから)

同時に、「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第18次報告)」についても公開され、次のような報告がなされています。

<死亡事例>

・心中による虐待死事例19件(28人)を含む66件(77人)
 ※1 令和241日から令和3331日の間に発生した児童虐待死事例
 ※2 参考)17次報告は、72件(78人)
 ※都道府県等が虐待死と断定できない事例15件(15人)についても虐待死として検証すべきと判断(内数)

<死亡事例の分析>

〇心中以外の虐待死(47/49人)について
・子どもの年齢
0歳」・・・31例(32人)で全体の65.3%を構成。この中、月齢0か月児が15/16人で50.0

・主な虐待の類型
「身体的虐待」・・・21/21人(42.9%)、「ネグレクト」・・・20/22人(44.9%) 

・加害の動機(複数回答)
「子どもの世話・養育をする余裕がない」が5/5人(10.2%)、「泣きやまないことにいらだったため」が4/4人(8.2%)

 ・妊娠期・周産期における問題(複数回答)
「妊娠健康診査未受診」・・・19/19人(38.8%)
「予期しなかった妊娠/計画していない妊娠」・・・14/14人(28.6%)

 ・養育者(実母)の心理的・精神的問題等
「養育能力の低さ」・・・15/15人(30.6%)、「育児不安」・・・15/15人(30.6%)

 〇心中による虐待死(19/28人)について
・子どもの年齢
「2歳」・・・5例/5人(17.9%)、「4歳」・・・4例/4人(14.3%)

・主な加害者
「実母」・・・12/18人(64.3%)

・加害の動機(複数回答)
「保護者自身の精神疾患、精神不安」・・・7例/11人(39.3%)
「育児不安や育児負担感」・・・5例/9人(32.1%)

詳しくは、厚生労働省サイト内「令和4年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議資料」をご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/01.pdf